ゲームの「高額課金トラブル」が続く根本理由 安易な課金体質を改善するのは簡単ではない
象徴的な出来事がこの年末年始に起きた。サイゲームスが運営する「グランブルーファンタジー」で希少キャラクターの出現率がアップするイベントを開いた際、数十万円をつぎ込んでも当らないプレーヤーが相次ぎ、「本当に確率は上がっているのか」と疑問の声があがった。
2276回、68万2800円。あるプレーヤーが希少キャラを入手するまでにガチャを回した回数とつぎ込んだ金額だ。この様子がネット中継されたことで騒動に発展。ネット上では虚偽の広告によりお金がだまし取られたとして、消費者庁に検査を求める署名運動も始まった。
「プレーヤーは欲しいアイテムを入手するまでいくらかかるか認識しないままガチャをしている」。井坂議員は質した背景をこう説明する。当時、サイゲームスはアイテムごとの出現率を明示していなかった。
ガチャそのものは規制を免れた
ガチャをめぐっては、2012年にもグリー<3632.T>やディー・エヌ・エー<2432.T>などが運営するソーシャルゲームで「コンプリート(コンプ)ガチャ」による高額課金が社会問題化し、消費者庁が景品表示法が禁じる「カード合わせ」にあたると判断、規制をかけた過去がある。
その際、ガチャそのものは規制を免れたことから、ゲーム各社は儲けやすいガチャをあの手この手でゲームの主役の座に据えていった。
結果、ガチャの高額課金の被害を訴える声はその後も相次ぎ、全国消費生活情報ネットワークシステムに2月末までに登録されたオンラインゲームに関する相談1件当たりの平均既払い額は2015年度に初めて30万円を超えた。