家電の巨人ハイアールがもくろむ日本攻略 日本初のガラスドア採用冷蔵庫を発売

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ハイアールは旧三洋の冷蔵庫・洗濯機事業を「アクア事業」として残し、ハイアールとのダブルブランドで展開している。直近7~9月のシェアは洗濯機で14%となっており、三洋時代の18%から落とした。一方で冷蔵庫は9%となっており、三洋時代から1%伸ばしている。

「ハイアール傘下になったことで国内シェアの大幅ダウンを覚悟していたことを考えると、健闘している」(ハイアール アクア セールスの中川喜之社長)。国内のR&D体制を強化中で、技術者の採用も増やしている。彼らは中国・青島の本社へ頻繁に出張し、生産工場の技術向上にもあたっているという。

目標は2015年に売上高500億円

そもそもハイアールが旧三洋を買収した目的は、高い技術力を手に入れるため。人件費が高くても日本で技術力を磨き、それを世界市場で使い回せば十分に回収できると考えている。

だからといって、日本市場を軽視しているわけではない。日本でのみ展開しているアクア事業は、高い目標を掲げる。15年の売上高500億円、シェア15%以上を目指しており、今のところはほぼ計画通りに推移している。期初に掲げた12年の売上高350億円(冷蔵庫と洗濯機の合算)、シェア10%という目標は、ほぼ射程圏となっている。

省エネや高機能など技術力に定評のある日本の家電市場を、三洋買収をテコにどこまで拡大できるか。ハイアールの日本攻略が、本格的に動き出している。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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