「毛バリ」政策は打たない 苦い薬も正直に伝える

甘利明 自民党政調会長 

 

──中長期的な課題は?

日本の経済構造の成長モデルを書き直したい。今の成長モデルは高度成長型の貿易立国の焼き直しだ。資材コストが高騰し、円高にもかかわらず、高く輸入して安く輸出する経済モデルになってしまっている。日本経済は円安頼みになってしまっている。雨ごいのように円安を神様に祈祷してもどうしようもない。

円高のときにしかできないのは、強い円を使って投資していくこと。政府も一部取り組んでいるが、全然弱いし、基本的理念がない。強い円を使って資源ごと買い占める発想が必要だ。貿易立国だけの単発エンジンを事業投資・産業投資立国を加えた双発エンジンに変えていき、円高だろうが円安だろうが稼げる経済にフルモデルチェンジしていく。

──自民党の政策には、民主党の「子ども手当」のようなキラーコンテンツがありません。

一発で有権者が参るような政策は詐欺じゃないか。今回の自民党と民主党の総裁選、代表選を通じて有権者が判断したのは、やはり自民党なら安心して国を任せられる、ということだと思う。つまり、選挙で票を取ることを考えると、耳当たりのよい政策を打ち出すほうがよいが、今回自民党が有権者にとって「苦い薬」も正直に言う姿勢が届いた。それは、いい加減な政策で有権者の歓心を買おうと思っている民主党の政策とは違う。われわれは毛バリのような政策は打たない。有権者にも、もうだまされないぞ、という思いがあるんだと思う。

社会を支える人をたくさん作るのが自民党だとすると、支えられる人をたくさん作るのが民主党。われわれは創造から入る。まず配分から入る民主党とは違う。

(撮影:今井康一 週刊東洋経済2012年10月20日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


あまり・あきら
1949年生まれ、慶応義塾大学法学部卒業後、ソニーなどを経て83年衆議院議員初当選、以後連続9期当選。旧労働、経済産業相などを歴任。

 

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