東京地裁で異例の判決 総会決議取り消しか

東京地裁で異例の判決 総会決議取り消しか

東証1部企業と筆頭株主が株主総会決議をめぐって大げんか。その行方は他企業にとって他人事ではない。(『週刊東洋経済』12月22日号より)

 光学部品メーカー・モリテックスの株主総会決議をめぐって、同社筆頭株主のIDECが起こした訴訟で、東京地裁は原告の請求を認め、取締役と監査役の選任決議を取り消す判決を下した。

 今年6月に行われたモリテックスの株主総会において、同社とIDECが役員の選出をそれぞれ提案。委任状争奪戦の末に、IDECの提案は否決されたが、この際に不公正な総会運営が行われたとして、即日提訴に踏み切っていた。

 判決では、IDECが提出した委任状を会社提案への議決権数に含めなかった集計方式を「不公正」とした。また、議決権行使を条件とした株主へのクオカード(1枚・500円)の贈呈は「会社提案に賛成する議決権行使の獲得をも目的としたもの」とし、会社法で規定する利益供与禁止違反に当たると判断した。

 モリテックスは判決当日の会見で、IDECの委任状勧誘が関係法令の要求を満たしておらず、カード贈呈も決議内容に不公正な影響を与えるものでないとあらためて主張。10日には控訴し、徹底闘争の構えである。仮に同社の敗訴が確定すれば、臨時株主総会で役員を選び直す事態となり、経営混乱は必至だ。

 議決権行使を促すため物品提供など「特典」を設ける企業はほかにもある。今回のように会社と株主が対立し委任状闘争に発展するケースは今や珍しくない。そうした場合の特典はどう位置づけられるのか。係争の行方は上場企業にとって他人事ではない。

(書き手:井下健悟)

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