日本と台湾との災害時の相互支援は、特に2011年以降、もはや被害の程度や支援のニーズとは別の次元で、相互依存的な側面、互いに関心を抱き合う共同体的な側面が生じている。そのことは、「頑張って台湾を(あるいは日本を)支援しないと、世論からもバッシングを受ける」という、ある種のプレッシャーも政治家に与えている。
内心「苦々しい」ものの、介入できない中国
プレッシャーと言っても、それは決して不健全なものではない。お互いを思いやりたいという世論を政治がきちんと受け止めるという、民主主義が健全に機能した結果と言うことができるのではないか。
日本と台湾の地震のたびに深まる「友好」に対して、中国は、いまのところ明確な態度を表明していない。とはいえ、政府レベルでは内心、苦々しい思いをしていることは想像がつく。
だが、「人道」という大義名分がある以上、こうしたケースで何らかの介入を行うことは、さらに自らを苦境に立たせる可能性がある。それも分かったうえで中国は黙っているはずで、深まる一方の日台間の「震災支援の絆」の前に、当面は打つ手を見つけ出せないだろう。
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