「正常化」の兆し見えた日本株とドル円相場

好転するといっても辛抱が必要な歩みになる

G20に集まった各国の財務相や中央銀行総裁たち(写真:AP/アフロ)

このたびの九州地区における地震で被災なさった方々には、心よりお見舞い申し上げます。アナリストや投資家の方々が、今回の震災が在九州企業の収益等に与える影響度合いを尋ねようと、現地の企業・工場等に電話等で取材することがあるように懸念します。アナリストの方におかれましては、現地の状況をご勘案いただき、お見舞いのお言葉とともに、必要最小限の取材にとどめていただきたいと思います。また個人投資家の方は、個別・直接の問い合わせは控えていただき、お取引のある金融機関等のアナリストの意見を、参考にしていただければと思います。

米ドルだけが下落するのは不自然だった

先々週(4月4日~8日)までは、世界の株式市場が明るさを増す一方で、日本株だけが「異常」だった。今年初を100として、日本円に換算した主要国の株価指数の動きをみてみよう。日本円換算後なので、各国の株価と当該国の通貨相場(対円)の動きを、合わせてみていることになる。

すると、日本株(TOPIX)は、直近では4月6日に81.9で最低値をつけた。これに対して同日のブラジル(ボベスパ)は109.3、ロシア(RTS)は104.3と、経済状況が不振な二国はかなり高い水準まで回復している。また、米国(S&P500)は92.5、ユーロ圏(ユーロSTOXX)は86.7、インド(SENSEX)は86.4で、日本を下回っているのは中国(上海総合)の79.0くらいだった。

世界の株価や外貨相場が、おおむね1~2月の波乱を乗り越え、正常水準への復帰を始めたにもかかわらず、日本株が取り残されていたのは、米ドルの対円相場が、実態に逆行して押し下げられていたためだ。米ドル安・円高の要因として、米連銀の利上げペースが緩やかなことが挙げられていた。しかし、もともと急速な利上げを予想していた向きはいないだろうし、連銀が利上げしないとか、ましてや利下げするなどと言明したわけでもない。

米国の経済実態は、すべての経済統計がよいというわけではもちろんないが、最近でも、3月分の非農業部門雇用者数やISM製造業及び非製造業指数の改善、14日発表の新規失業保険申請件数の減少(5週間ぶりの低水準)など、景気の堅調さを示すものが多い。米株価も年初来の最高水準を更新しており、米ドルだけが逆に下落していたことは不自然だ。

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