いずれにせよ、暴力的な過激主義と宥和すれば、同じようなことが起きるのを促すだけだ。その結果、私たちはそうと宣言されるわけではないが、知的な緊急事態に陥る。
この緊急事態に対処するため、われわれはありのままに物事を捉えなければならない。つまり、イスラム教徒が繰り広げている全面的な死闘は西側諸国が奉じる価値観をも脅かすもので単にイスラム教徒の問題ではない、と認めなければならない。
その上で私たちは、国際的な脱税手口解明のために現在使われているのと同様なエネルギーと巧妙さによって、イスラムの憎悪と恐怖のネットワークの発見や解明、暴露に献身せねばならない。イスラム過激派に関する部分がパナマ文書の中から公表されるには、どれくらい待つ必要があるだろうか? 大新聞各紙が、パナマの法律事務所モサック・フォンセカの顧客網から、イスラム過激派やそのオフショア企業を抜き出すのを控えているのはなぜだろうか?
穏健派をイデオロギー面でも味方に
私たちは、憎悪のイスラム教を拒絶する一方で、女性の人権などを尊重するイスラム教徒を支援するとともに、イデオロギー面で武装させねばならない。その一環として、フランス語で執筆しているイスラム教徒出身の小説家であるダウド氏を擁護するのも有効だ。ダウド氏は、欧州に保護を求める人々は、欧州の価値観を高く評価するようになる可能性が大きいと示唆。アラブ人に対し、女性の尊厳を守るよう促してもいる。
犯罪的なサラフィー主義者との戦いの中で、人種差別や帝国主義に反対し共和政民主主義を信奉する者は、平和的なイスラム穏健派の味方にならねばならない。これはイデオロギー上の神学的で政治的な戦争だ。さらに舞台になるのは、フランスの都市近隣からモロッコやクルディスタンを経てバングラデシュなどのイスラム教諸国に至る、広大な地域だ。
以上が、おおまかに言って、私たちの緊急の仕事である。これは私たちの戦争なのだ。
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