補助金終了後も激化する「軽」競争、ホンダは「N」シリーズを5割増産
ホンダが軽自動車市場で台風の目となっている。同社は昨年末、新型軽「N BOX」を投入。張り出し感のある独自のデザインや広い室内空間が人気を呼び、今年4月以降、軽自動車としてトップの販売を続けている。
7月には第2弾となる「N BOX+」(写真)も発売。1~8月の軽乗用車におけるホンダのシェアは17%、2011年の8.6%から大幅に向上した。ダイハツ工業・スズキの2強体制から、3強時代の到来を指摘する声もある。
11月に第3弾を投入
ホンダは10月から鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)で、「N」シリーズの増産に踏み切る。1日当たり約1000台だった生産を5割増の約1500台へ拡大。鈴鹿では2本のラインのうち、1本のみでNシリーズを生産していたが、今後、もう1本のラインでも本格的に生産を始める。9月中にもエコカー補助金が終了し、軽市場の縮小が見込まれる中、強気の増産計画を立てる。
この時期の増産決定は、補助金終了後もNシリーズの好調な販売を維持できるという自信の表れでもある。現在も両車(BOX、BOX+)は納車までに平均1カ月半を要する。これまで「一部に制約があった」(同社幹部)部品調達にメドがついたこともあり、バックオーダー(繰り越し注文)の解消を進める。
そして増産の最大の理由は、11月にNシリーズの第3弾の投入が控えていることだ。新型車は同じプラットホーム(車台)を利用しながら、前2車と比べ車高が低く、より走行性能を重視したモデル。「新型車のほうが販売の中心になる」(部品メーカー首脳)との期待もあり、ワゴンRにとって、強力なライバルとなりそうだ。