本社は埼玉県の嵐山。池袋から電車で1時間半以上かかる場所にあります。そこには工場と一体になったオフィスがあります。アジア、北米に生産・販売拠点を設けています。日本における正社員322名(2015年現在)のうち女性社員は約50名と、まだ全体に占める比率は高くないものの、近年、女性社員を積極的に採用しています。管理職への登用はまだわずかですが、候補者は増えています。HPを見ても
「責任のある仕事を任せてくれます。こうした環境で仕事をすることで、自分が毎日一歩ずつ着実に進んでいる、成長しているという自覚が持て、とてもやりがいがあります」
などと前向きな声が多く紹介されています。ある女性社員は
「街のレストランにも負けないくらいおいしい社員食堂や、広々としたオフィスにいると、発想も豊かになり、楽しく仕事ができています」
と、会社の食堂を会社の魅力として紹介。ちなみに当方もその食堂を訪問してみましたが、女性社員の心をわしづかみにするようなすばらしい施設でした。
食堂は埼玉県嵐山事業所にあり、「嵐山食堂」と名付けられています。地元で採れた新鮮な食材をふんだんに使い、内装は埼玉県産の杉を家具工房で加工した軽くてすわり心地のよい椅子や小川町の伝統工芸にちなんで壁紙、照明に和紙を取り入れるなど「地産地消」にも配慮し、ありきたりな社員食堂にならないさまざまな工夫がされていました。
メニューは3種類から選べる日替わりのメイン料理、ビュッフェ形式(食べ放題)のサラダと惣菜を毎日楽しむことができます。食堂では普段接する機会の少ない社員同士でも、落ち着いて食事ができる明るく清潔感ある雰囲気のなか、おいしい料理を前に会話が盛り上がり社内のコミュニケーション活性化の向上に一役買っているようです。
この食堂の写真を見て入社エントリーをした女性が多数いるとのこと。さらに入社後のモチベーションアップにも寄与しているようです。
この食堂は「ありえない社員食堂」プロジェクトと命名されて取り組んだ成果とのこと。女性活用への本気度を感じます。
見極めたい、女性活用の本気度
女性の採用数を増やした後、企業側には女性活躍を支援するためのさまざまな環境整備が求められます。男性中心の職場環境を、どれだけ変えていけるか。食堂は一例ですが、その姿勢を実際に示せるかどうかで女性活躍の進展度が変わってくることでしょう。
ちなみに太陽ホールディングスは政府の女性活用方針を遵守するために「ありえない食堂」を作り、女性の採用を増やしているわけではありません。入社した女性が著しい成果を出しているからなのです。
本当に活躍している女性がいるから会社は「辞めて欲しくない」と本気で考えるのではないでしょうか。
女性活躍推進の取り組みをポジティブ・アクションとも言いますが、いまや企業の経営戦略・人材戦略として位置づけられる重要な取り組みとなっています。厚生労働省の調査によると管理職の女性比率が過去5年間に増加した企業ほど5年前と比較して経常利益が増加する傾向がみられるとのこと。2017年入社で女性比率を前年より高めると回答した企業は全体で14.1%。ところが製造業に限ると比率が倍近くに上がります。時間軸でみれば製造業における女性管理職も増えていく兆候があると、とらえていいのではないでしょうか。
日本政府も早く女性活用をと急かすばかりでなく、こうした前向きな取り組みを応援してほしいものです。また、女性が「働く会社」を選ぶ際には企業規模にこだわらずに、こうした女性活躍に取り組む本気度を判断基準にしていただくといいと思います。
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