駅弁がコンビニ弁当より高いこれだけの理由

1日20個限定の希少弁当、予約で熱々を提供も

ただ、駅弁が高いのは理由がある。コンビニ、スーパーなど中食産業の廃棄率は5%未満とされている。これに対して駅弁の廃棄率は10%がざら。なぜ廃棄率が高いかというと、消費期限が短いから。冷蔵保存のスーパーやコンビニの弁当と違い常温保存が基本なので、たとえば「峠の釜めし」は、8時間経ったら売れ残りを廃棄しないといけない。そのため廃棄処分にかかるコストも上乗せされる。

スーパーのお弁当は消費期限が迫ってきたら値段を下げて売ることができるが、駅弁は規制があって、承認された価格でないと売れない。

――駅弁を売るのに規制があるのですか?

ありますよ。販売する駅弁の価格をJRなど鉄道事業者に申請を行ない、許可を受ける必要がある。そのため、駅弁の売店の判断で自由に値引き販売をすることができない。

廃棄を減らすために値段を下げて売ってもいいなどの規制緩和ができれば、少しは価格も下がると思います。

駅弁業者は零細企業が多い

堀内重人(ほりうち・しげと)/1967年生まれ。立命館大学経営学研究科博士前期課程修了。運輸評論家として執筆、講演活動、ラジオ出演などを行なう。主な著書に『元気なローカル線のつくりかた』『チャレンジする地方鉄道』など(撮影:尾形文繁)

――駅弁の食材も高いのでは?

コンビニ弁当は安い外国産の食材を使うこともあります。でも駅弁は国産の材料を使っているから、高いのは仕方ないかもしれません。容器代、包装紙代も価格に反映されています。

――駅弁は値段が高い分、業者が儲けているのでは?

いえ、どこも中小、零細企業ですよ。駅弁という特性上、販売エリアは製造拠点を置く駅か、その路線内に限定されてしまう。それというのも新規出店しようとしても、その都度鉄道事業者への申請が必要だから。その結果、大量生産できず単価は高くならざるを得ないのです。たとえば、久慈駅の「うに弁当」は1日20個しか作れない。夫婦2人でやっているようなところですから。

――デパートの駅弁大会では駅弁が飛ぶように売れてますが。

そこだけ見ていればそうだと思います。ただ、全国の駅弁事業者の数は2000~2015年の15年間で半減。最盛期だった昭和30年代の4分の1に減ってしまいました。

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