ライオンが中国の高級ブランドになった理由 指名買いされる人気の秘密を濱社長が語った

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――2016年1月から中国EC大手アリババのサイトで日本からの直販品を売る「越境EC」に参入したが、現地法人が運営するECとすみ分けできているのか?

同じ戦略では日本と現地とで食い合いが起きてしまうので、越境ECで売るものと、国内ECで売るものを分けていきたい。現在、越境ECの旗艦店では、内臓脂肪を減らす「ラクトフェリン」といった、健康食品を中心に展開している。

越境ECは、競合他社も試行錯誤している段階で、今でこそ一般的な輸出品よりも税法上優遇されているが、不透明な側面もある(※インタビュー後、中国政府が4月8日から越境ECの税制を変更することを発表。たとえば、500元以下の日用品は実質11.9%増税となった)。ただ、チャネルが増えることは、われわれにとってチャンスだ。

アジアでの勢力拡大を模索中

はま・いつお●1954年生まれ(62歳)。1977年ライオン油脂(現ライオン)入社。家庭用品のハウスホールド事業部長などを経て2012年から現職

――中国に限らず、海外での量的拡大を目標に掲げている。

現在の海外比率は25%程度であり、これを早急に30%まで引き上げたい。同時に、利益率の高いオーラルケア商品や医薬品などへ経営資源を集中させる。

中国以外でも、ターゲットは生活の質を上げたい中間層だ。タイを中心に高齢化が進行していく中、ヘルスケア市場は間違いなく拡大する。ここに新しい商品を投入していく。現在、AEC(ASEAN経済共同体)下で関税障壁が撤廃される動きがある。

タイ、マレーシア、インドネシアを一つのハブとして市場を拡大させながら、アジアの新しいエリアに拡大する、というステップを踏んでいきたい。

進出国は具体的には言えないが、2年前から新規国を開発するチームを作り、見定めているところだ。海外では、エリア拡大のための投資、設備増強の投資を積極的にしていきたい。

※週刊東洋経済3月19日号「この人に聞く」に加筆

(撮影:尾形文繁)

印南 志帆 東洋経済 記者

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いんなみ しほ / Shiho Innami

早稲田大学大学院卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者、東洋経済オンライン編集部、電機、ゲーム業界担当記者などを経て、現在は『週刊東洋経済』や東洋経済オンラインの編集を担当。過去に手がけた特集に「会社とジェンダー」「ソニー 掛け算の経営」「EV産業革命」などがある。保育・介護業界の担当記者。大学時代に日本古代史を研究していたことから歴史は大好物。1児の親。

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