スバルとマツダ、デザインの根本的な違い 新型インプレッサで全面採用する新思想

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3つの意味から定められた方向性がダイナミック×ソリッドだ

石井部長のプレゼンテーションを聞いて、筆者はほかの多くの自動車ブランドとの違いが「ソリッド=塊感」にあると感じた。ダイナミックやエモーションなどは多くのブランドが使用しており、いまや食傷気味でさえある。ソリッドというキーワードの起用で、スバルらしさが高まっている。

スバルのルーツである飛行機は、安心安全がもっとも重要な機械である。その思想が視界のよさやアイサイトにつながっているのだろう。しかも空を飛ぶから、軽くて空気抵抗の少ない合理的な造形が求められる。塊感に結実することもまた自然の成り行きだ。

スバルのダイナミックとは、機械を作っている

そしてダイナミックの解釈も、スバルはやや変わっている。説明の後半で石井氏は、「ダイナミックというと動物的なモチーフを使うことが多いですが、われわれは機械を作っていると考えています」と述べた。

 
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マツダのデザインはチーターがモチーフだ

筆者はその瞬間、マツダを思い浮かべた。「マツダのデザインはなぜカッコ良くなったか」(1月10日配信)で触れたように、近年、好評を博しているマツダの「魂動デザイン」は、肉食系猛獣のチーターがモチーフだった。この点でスバルのデザイン思想はマツダとは根本的に違うということである。

ニューヨーク国際オートショーで世界初公開された次期型インプレッサのフォルムは、確かに動物的なしなやかさより、鉄や石の塊を削り出して造形したような、硬質な雰囲気を感じる。ソリッドな塊と躍動的なラインの融合に、やや粗削りな部分も見られるが、それもまた野武士らしさと評すべきかもしれない。

2017年は中島飛行機創立100周年。記念すべき年へ向けて、ダイナミック×ソリッドはさらに洗練を深めていきそうだ。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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