スバルとマツダ、デザインの根本的な違い 新型インプレッサで全面採用する新思想
そして昨年11月の東京モーターショーでは、新型インプレッサのプロトタイプといえる、「インプレッサ5ドアコンセプト」を世界初公開した。ここでもダイナミック×ソリッドというキーワードが使われていた。こうした流れを考えれば、新型インプレッサが市販車として初めて、スバルの新しいデザイン思想を全面採用したのは当然だろう。
インプレッサが改革のターニングポイントを務めた
興味深いのは、インプレッサがスバル改革のターニングポイントを務めたのは、これが初めてではないことだ。他車に先駆けてのプラットフォーム一新も、2007年に発表された3代目で、「SI-シャシー」と名付けて実施している。
このときは同時に、1971年発表のレオーネ以来受け継いできたサイドウインドーの窓枠がないサッシュレス方式を止め、窓枠を追加してもいる。
ハッチバックに「スポーツ」、セダンに「G4」というサブネームを与えた2011年デビューの現行型では、パッケージングとデザインでの改革を断行した。その象徴が、フロントピラーの根元を従来に比べて200mm前に出したことだ。
インプレッサはスバル伝統の水平対向4気筒エンジンを縦置きするので、前輪から前の部分(フロントオーバーハング)が長くなりがちだ。ピラーの根元が後方にあると、ノーズが重く感じられる。それを解消すべく、エンジンルームとキャビンの間の隔壁の構造を一新することで、ピラーの根元を前に出した。
フロントマスクもこのとき一新した。六角形の「ヘキサゴングリル」に、鷹の目を連想させる「ホークアイ」ヘッドライトの組み合わせを、他車に先駆けて導入した。
この顔について、現行インプレッサのデザインを担当した中村真一氏は、デビュー時に次のように説明していた。
「水平対向エンジンを積んでいるがゆえの迫力や力感がスバルの財産だと思っているので、グリルを大きく開け、ライトを見開いて、しっかり主張させました。俳優で言えば超二枚目ではなく野武士タイプです」
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