「HoloLens」は仕事のやり方を根本から変える 「残念だったGoogleGlass」とは違う"本気度"
もっとも、マイクロソフトはHoloLensの一般市販時期について、まだ何も語っていない。というのも、HoloLensの開発者向けハードウェアは作ったものの、アプリケーションに関してはパートナーとともに慎重に開発を続ける方針だからだ。今は、開発者に開放することで用途を模索しているフェーズだ。
マイクロソフトは、HoloLensを開発者に開放しつつ、当面は、業務用アプリケーションの共同研究開発に特化するということになる。
HoloLens向けのアプリケーションの共同開発を行う企業の多くは北米の企業。マイクロソフト本社が直接パートナーシップを築いており、各国の現地法人にはHoloLens部門は設置されていない。
日本航空が社内教育アプリを共同開発
ただし日本だけは例外で、JAL(日本航空)は日本マイクロソフトを通じて、主に社内教育用のアプリケーションの共同開発を進めていくという。
こうした”未来への投資”とも言える技術には、実用化の見込みが立たずに景気動向でプロジェクトが中止されるリスクがある。グーグルの「Google Glass」は登場当初大きな注目を集め一般発売にまで漕ぎ着けたものの、結局、有効な用途や仕様上の問題などを解決できずプロジェクト自体が中止されている。
マイクロソフトは、その二の舞をするつもりはないようだ。HoloLensを用いたアプリケーション開発、用途開拓を長期に渡って共同開発パートナーに保証し、パートナーに対しても長期的なコミットメントを求め、契約に盛り込んでいるという。
HoloLensアプリケーションの共同開発パートナーは、要素技術や開発・デザイン関連ツールのパートナーが多い。ただ、それだけでなく、大手流通、自動車メーカー、航空機メーカー、映画制作会社など、いわゆる「顧客企業」もある(JALもそのうちの1社)。顧客とのパートナーシップでは、実際にその企業の業務改善をHoloLensで行うことを目標にアプリケーション開発を行っている。
JALとの共同プロジェクトに関しては、他パートナーとは別に大写しでスクリーンに紹介された。かなり広範に渡る分野でアプリケーション開発を行い、日本にもHoloLensの開発サポートを行う人物が専任で配置されるとのこと。機体の整備士を育てるプログラムなどが用意されるようだ。詳細については4月中に日本で発表するという。
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