リチウムイオン電池の主要材料、旭化成の加工拠点が中国でも始動

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リチウムイオン電池の主要材料、旭化成の加工拠点が中国でも始動

スマートフォンやタブレット端末、ノートパソコンなどといった民生用の電子機器向けに加え、今後、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)など車載用途の急速な広がりが予測されるリチウムイオン2次電池。その基幹部材の1つであるセパレータで、世界首位の旭化成が地盤固めを着々と進めている。

旭化成グループの事業会社の1つである旭化成イーマテリアルズ(本社・東京都千代田区)は9月6日、中国・江蘇省で建設を進めていたセパレータ(商品名「ハイポア」=写真=)の加工工場が、本格的に稼働を始めたと発表した。日本から半製品を輸出し、中国国内で加工・検査を行って出荷することで、中国現地の電池メーカーへの安定的な供給を短納期で対応できるようにしていく。

旭化成はすでに韓国にも加工工場を設けており、今回の中国加工工場稼働で日中韓の三極体制を構築したことになる。 

リチウムイオン電池は正極と負極の間をイオンが行き来することで放電と充電が行われる。その行き来を媒介するのが電解液。正極と負極を隔離しつつイオンの行き来を可能にする多孔質フィルムがセパレーターで、これらをリチウムイオン電池の主要4材料と呼んでいる。

セパレーターの分野では、旭化成グループと東レグループの2社が世界シェアの6割近くを握る圧倒的な存在で、それを米国のセルガード、韓国のSKなどが追いかけている。

(武政 秀明 =東洋経済オンライン)

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