ソフトバンクとでも提携しないと顧客を満足させられない--山村雅之・NTT東日本社長
ソフトベンダーとも自社サービスとマッチするものはどんどん取り入れていきたい。ソフトを買い取るということもありえないわけではない。
--就任会見では増収増益を目指すとしていたが、具体策は。
国内のみに事業展開が限られるということもあり、社内には閉塞感が漂っている。法規制によりグループ内のNTTドコモとの提携にも制限が出てくる。さらに、今期も増収増益(営業収益1兆8680億円、営業利益650億円)を掲げ頑張っているが、進捗を見るかぎり厳しいかもしれない。
しかし、私自身はお客様の要望に耳を傾ければ新しい展開も見えるし、今の環境の下でもできることはまだまだあると考えている。
「フレッツ光」だけでも約1000万の契約者がいる。既存顧客に新しいサービスを提供すれば、それが月額100円、200円という程度でも大きな増収につながる。7月にはデータセンターの設置が、17ある全都道県域で完了したのでクラウドサービスでも成長策を描いている。
--クラウドサービスは競合も多いが、NTT東の強みはどこにあるのか。
クラウドというにはプリミティブかもしれないが、市町村など小規模な自治体のデータを預かる、遠隔操作を請け負う等のビジネスチャンスはある。県庁など受注額の大きな自治体では外注化が当たり前で、大手のITベンダーが何十も群がり競争が過熱する。
一方、小規模な自治体はいまだに庁舎の中でデータを保管しているところも多い。東日本大震災では、こういった自治体がデータを消失してしまうという問題もあった。