ソフトバンクとでも提携しないと顧客を満足させられない--山村雅之・NTT東日本社長
ネットとモバイルの融合が急激に進んでおり、この先の事業環境については読み切れない状態だ。しかし、お客様が満足するサービスはグループ内だけでは提供できない時代がすぐそこに来ている。家の中で光回線を使っていたけれども、今後は外でもネット環境を充実させたいというお客様がさらに増えるなど、環境が激変しているためだ。
自社でもWi-Fiスポットを敷設するなどニーズに応えるサービスをしているが、「フレッツ光」の契約者が定額でイー・モバイルのモバイルルーターを使えるサービスを提供するなど環境、端末の進化でわが社のサービスも変わってきた。
今後はグループのドコモだけでなく、ソフトバンクなどの競合企業とさえも連携しないと顧客満足度は得られない。通信の自由や公正な競争は担保しながらも、この国の成長を考えた場合に、通信業界を取り巻く法規制には議論の余地があるだろう。
--65歳まで希望者全員の雇用を義務づける「高年齢者雇用安定法」の成立に先立って、6月にNTTグループは現状の50歳での退職・再雇用制度を廃止、来年4月から65歳まで雇用延長案を労働組合に提案した。狙いは?
これから退職される方は、60歳で退職して年金受給が始まる65歳まで収入が下がり生活も厳しくなる。若い世代でも退職後から年金受給開始までの期間の生活不安が広がっている。このような不安を払拭できるとも考えている。来年4月開始までに労組と議論をしていく予定だ。