未払い問題の反省が出発点 損保代理店に新教育制度を導入

日本損害保険協会は今年11月から、損保の代理店販売員168万人を対象に、損保商品の知識をチェックする“教育制度”を導入する。これは保険金未払い・不払い問題が、損保各社だけでなく代理店の質低下にも原因があるとの反省の下、導入されるもの。

当初、同制度は資格試験で実施される予定だった。ところが各社の抵抗と協会側の態勢が整わないという理由から、研修さえ受ければ合格と見なすことも可能とした。損保協は「代理店の方々は商品知識を十分に持っており、今さら試験を受けてもらうのは時間のロス」とも説明する。だが、試験の時間は約2時間。一方の研修は半日から長ければ2日以上。はたしてどちらが時間のロスか。

試験制度と、試験・研修の併用制度とのどちらを導入するかは各社の判断に任され、5月連休明けにその意向が出そろう予定。損保大手5社は「経営判断はまだ」「社内で検討中」などとしながらも、東京海上日動(ミレアホールディングス)を除き、併用制度に傾きつつあるようだ。

2013年にはすべての販売員に試験を義務づける方針とはいえ、水は低きに流れるもの。はたして5年後に試験制度に全面移行できるのか、懸念は残る。募集人の質向上を目的としながら、画竜点睛を欠く制度になりそうなのは残念だ。
(筑紫祐二 =週刊東洋経済)

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