速く走りたいなら炭水化物は「夜抜く」べきだ 最新食事法スリープローの効果とは
実験は、経験豊かな21人のトライアスロンの競技選手を対象に行われた。初めに模擬のレースを行い、体力やスピードのテストも実施した。
その後、アスリートをランダムに2つのグループに分け、片方のグループには毎回の食事と運動後に炭水化物を豊富に摂取するという標準的なスポーツの食事法をしてもらった。
スリープロー組の「不満」
もう一方のグループは、スリープローの食事法だ。1日に摂取する炭水化物の量は別のグループと同じだが、摂取するタイミングが異なる。朝食と昼食にすべての量を摂取し、夕食には一切とらないのだ。
同時に、すべてのアスリートに新しいトレーニングプログラムを実行してもらった。午後に体が消耗するほどの激しいインターバルトレーニングを行い、体力を向上させ、体に蓄えられた炭水化物(糖質)を激減させる。その後、片方のグループは夕食に炭水化物(糖質)を補給するが、スリープローのグループは補給しない。
翌朝、全員が朝食前にエアロバイクを使って中程度のペースで1時間、エクササイズをする。このときスリープローのグループは、炭水化物(糖質)と脂肪をエネルギー源にしている。
その後、すべてのアスリートは炭水化物(糖質)が豊富でボリュームのある朝食と昼食をとる。つまり、どちらのグループも午後のインターバルトレーニングに向けて炭水化物(糖質)を十分体に貯め込むのだ。
この実験を週4日、3週間続けた(実験をしない日は、アスリートはランニングや自転車、水泳をゆるやかなペースで行い、食事は自由にしてもらった)。3週間後、スリープローのグループからは、夜中の空腹について不満の声が聞かれた。