入社直前の「内定切り」に、泣き寝入りするな 就職予定日からの賃金を請求できる場合も!

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新しい職場で働くことが決まり、期待に胸をふくらませていたところ……(写真:Rina / PIXTA)

少しずつ春の気配が感じられるようになってきた。新しい年度が始まる4月から、心機一転、新しい職場で働くことが決まり、期待に胸をふくらませている人もいるかもしれない。

ところが、「彼女が転職先から入社11日前に内定取り消しになった」という相談が、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられた。投稿者の男性によると、「理由は人員確保ができなくなり、直営化が難しく取り消しになった」とのことだ。

その彼女は、入社してから2週間ほど他県の店舗に研修に行く予定で、乗車券なども実費で準備していたそうだ。男性は彼女の転職先が決まり、結婚を前提に同棲しようと引っ越しも考えていたという。その矢先に内定が取り消しとなり、「再度転職先を探さねばならなくなり大いに悲しんでいる」と話す。

会社都合の「内定取り消し」なんてアリなのか

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

今回のケースのように、入社直前で内定取り消しとなった場合、何らかの補償を会社に求めることはできないのだろうか。そもそも、「人員確保ができなくなった」といった会社側の都合で内定を取り消すことに、法的な問題はないのだろうか。竹之内洋人弁護士に聞いた。

「『内定』は、法的には、『就労始期付解約権留保付労働契約の成立』と解されています。

難しい言い方ですが、簡単に言うと、入社日から働き始めるという『期限』がついていて、かつ、従業員として不適格であると入社日より前に分かった場合などには、会社が『解約権』を行使して内定を取り消すことがありうると『留保』している労働契約ということです」

竹之内弁護士はこのように解説する。

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