「30代シングルマザー」の華麗すぎる恋愛事情

バツイチ子持ちは、ピンヒールを履き続ける

「西田と結婚してた時も、結構ヤりまくってたからね、うちは。妊娠中も。新婚がいきなり妊娠中だったってのもあるけど。離婚してすぐは時間の作り方がよくわかんなかったけど、考えてみれば今は実家だから、子供はみてもらえてるし、むしろ母親なんてそれが生きがいみたいになってるし、だから専業主婦の奥さんがいる男の人が、外で遊ぶくらいの時間は、私も外で遊べるんだよ」

「女として腐りたくないのはあると言えばある」

ユウミは今は仕事関係の知り合いである40代のバツイチ男である鮎川さんと、素敵なセフレライフを送っている。再婚する気は現在のところなし。お金持ちの鮎川さんに、好き放題に高いレストランやホテルを予約してもらい、先日は初めて1泊で温泉に行ったという話だ。そんな話を、エストネーションで買ったらしいセットアップで語る姿はなかなか嫌味ったらしい。もともと実家もお金持ちで、本人の収入も高い彼女の服の趣味は、昔からバーニーズやBCBGなど、随分と豪華趣味である。

「別に30代になって性欲が強まったとかいうわけじゃないよ。でも無理やり言えば、女として腐りたくないのはあると言えばあるんだろうね。学生時代の、あの超恋愛体質から、西田との超恋愛結婚から、今は恋愛感情はいまいちピンとこなくなっちゃったんだけど、遊ぶ男の人いないと、オシャレしないし、いい店でご飯食べないし、下着とかババ臭くなりそうじゃない? 子供いて、ババ臭いパンツ履いてたら、さすがにソノマンマ! って感じになるじゃん。ちゃんと高いの履いてるよ」

バゲットにパテをベタベタと塗りながら、個室に運ばれてきたシャンパンを、わりといいペースで飲んで、ケタケタ笑うユウミに、横から最初にすぐ突っ込んだのは、彼女より4つ年上のエリコさんだった。

「前からオヤジ好きなの?」

エリコさんは、私が、最初だけといってボトルで頼んだシャンパンを断り、1人でいきなり赤ワインを飲んでいた。

「41歳はオヤジじゃないでしょ? エリコさんとそんなに変わらないじゃん」

ユウミが、若干不服そうに反論する。確かに33歳と41歳のカップルは、オヤジ好きというほどでも、不自然でもない。ユウミの前の旦那も、たしか5つ以上は年上だった。ただ、エリコさんの今付き合っている男や、その前に付き合っていた男に比べたら、確かに化石並みのオヤジである。現在の、「お気に入り男子」は、実に鮎川さんの20歳下、来月やっと22歳になるバーテンダーである。

「え、私は最早、30代の男も、最近は年寄りって思っているから」

そういってエリコさんは笑った。赤ワインのせいか、若干クチビルが変な色になっている。月に2度ほど美容院に行くという明るい色の髪の毛は、毎日巻いているのにツヤツヤで、ヒールはワタシタチの誰よりも高い。ただ、あまりに若い子向けのそのファッションセンスは、もっと綺麗で大人っぽい服を着たほうが似合うのに、という周囲の批評を誘う。

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