5ブランド複合したユニクロマルシェの役割 ビックロに続くコラボ店

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かつて「フリース」や機能性肌着の「ヒートテック」などといった大ヒット商品に牽引され、目を見張る成長を遂げてきた国内ユニクロ事業だが、近年は一服している。直近決算の2012年8月期は店舗の純増は2店にとどまり、既存店売上高は年間で0.5%減った。

一方、国内ユニクロが伸び悩む一方で、ジーユー事業は前期の売上高が8割伸びるなど「気持ち悪いぐらい絶好調」(柳井氏)。プラステなどを展開するセオリー事業も好調だ。

柳井氏「マスコミは大げさに考えすぎ」

「相次ぐ新業態の開発は国内ユニクロの起爆剤になりますか?」。ユニクロマルシェのオープンを控えた11月1日の内覧会で、報道陣からはこんな質問が飛び出した。対するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は「皆さんは大げさに考えすぎ。気楽に始めて日本の活性化につなげたい」と返答した。

 

会見に臨む柳井正ファーストリテイリング会長兼社長

そうはいっても、これまでになかったコラボ戦略は、停滞傾向に風穴を開けようとする試みの一つには違いない。ただ、ユニクロマルシェについては別の狙いも込められていそうだ。グループで展開する複数のブランドの育成である。

過去に買収したフランス生まれの下着や水着を扱うランジェリーブランドのプリンセス タム・タムは日本初出店。国内では無名の海外ブランドを、ユニクロの知名度や集客力を生かして、国内に浸透させていく布石でもある。実際、プリンセス タム・タムのエリザベト・クナン社長は、「旗艦店を国内で出すにはユニクロ マルシェで結果を出し、柳井さんを説得する必要がある」と話した。

いずれにしても、柳井氏が2020年の目標として掲げる売上高5兆円を達成するには、ユニクロ一本足ではなく、事業を多面的に展開していく必要がある。実験的な取り組みながらユニクロマルシェは、重大な役割を担っている。

(撮影:尾形 文繁)

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車・重工業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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