売れすぎスバルは一体どこまで拡大するのか 吉永社長が明かす新型インプレッサへの自信
『本当にそんなに売れるのか?』と心配される声もありますが、実のところ、今回の投資にとって北米工場の生産台数が40万台になっても需要に追いつくかどうかギリギリのところだと予想しています」
確かに、スバルの日本国内の販売台数が約12万台という現状からすると、感覚からかけ離れた数字に思えるが、実際にアメリカのモーターショーでスバルへのラブコールを目の当たりにすると、あながち遠い目標とも思えない。
販売実績に応じてメーカーから販売店へと支払われるインセンティブ(報奨金)は現在、スバル車の場合で1台当たり570ドルまで下がり、在庫は半月程度に過ぎない。アメリカにおける在庫は2カ月が一般的であり、インセンティブが1000ドル以下というのも異例中の異例と言っていい。
新型インプレッサを発表したことで、先が見えてきた
気になる新型インプレッサの発売は、日米ともに2016年後半とされる。ただでさえ、新世代のプラットフォームを採用し、エンジンの型式は変わらないとはいえ、約90%もの部品を変更したという大改良だ。はたして日米で同時に生産がスタートできるのだろうか。
吉永社長はこう答える。
「実は、それ以前に大きな心配があったのです。スバルグローバルプラットフォームへと一新することを決めたとき、2016年にインプレッサが市場に出るまでの約1年半もの間にわたって、新車が出ないということのほうが心配になりました。
だからといって、足踏みするわけにもいかなかったのです。スバルのクルマが北米で高い評価を得ている理由のひとつに、米・道路安全保険協会による”トップセーフティピック”による評価の高さがあるのですが、その基準も毎年厳しくなっており、古いプラットフォームに固執していては最高水準の『トップセーフティピックプラス』を維持できません。
2015年は新車がまるで出ない年になってしまったわけですが、蓋を開けてみると、『クルマが足りない』とお叱りを受けるほど好調な年となりました。そして今日、新型インプレッサを発表したことで、先が見えてきました。私としては、新型の立ち上げ以上に、2015年を乗り越えるほうが心配でしたし、今後は新世代プラットフォームの採用で性能も安全性も高まっていくわけですから、日本とアメリカの優秀なエンジニアにお客様にクルマが届けられる体制を整えることを期待するばかりです」
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