「インプレッサ」の最新進化は何がスゴいのか スバルの新世代プラットフォームが遂に始動

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半年前に東京モーターショーで見せた最初のコンセプトカーとの最大の違いはフロントランプ周辺やドアミラーのデザインがより現実的になったことである。デザイン部門を率いる石井守氏はこう話した。

「スバルの新しいデザイン言語である『ダイナミック☓ソリッド』の表現となる第1弾として、なによりも重んじたのはプロポーションです。今回、スバルグローバルプラットフォームの採用によって骨格から見直したことで、デザイン面でも大きなアドバンテージが生まれました。また、従来のスバル・ファンの皆さんが期待してくださっている機能に裏付けられたデザインは損なわずに、”理由のある質感の向上”を目指しました」

新しいグローバル・アーキテクチャを採用したことにより、エクステリアでもインテリアでも大きな変革が可能になった。例えば、左右のタイヤの距離であるトレッドを広げたことでワイドなスタイリングになり、内装についても左右席の距離を広げることができて、センターコンソールを作りこめるようになった。シート形状についても、取り付け剛性を高め、新型プラットフォームと新パワートレインによって得られたスポーティな走りを表現したデザインにしている。

”理由のある質感の向上”を目指した新型インプレッサ(写真は5ドア・ハッチバック)

外観上では、Aピラーの付け根を前に移動させて寝かせた上でミラーの付け根に三角窓を設け、リア側でもストップランプの位置を変更するなどして、視認性を向上させつつもクーペ風のスタイリングにすることができた。ハッチバックでは、ルーフレールを備えたり、荷室の開口部を広げたりなど、実用性の高さを主張している。

新型インプレッサはセダンとハッチバックがいずれも5人乗りで、セダンが全長4625×全幅1777×全高1455mm、ハッチバックは全長4460×全幅1777×全高1455mmとなり、ホイールベースが2670mmに拡大された。ホイールは、コンセプトカーでは20インチを履いていたが、さすがに実車ではより現実的な205/55 R16、205/50 R17、225/40 R18の3サイズとなる。

そして、広いショー会場で改めて見てみて、前夜のプレビューでは気づかなかったことに気付いた。水平対向エンジンでFF(前輪駆動)をラインナップする従来のインプレッサには前輪の中心から車体前端までの「フロント・オーバーハング」が長いという宿命があったが、新型のスタイリングはオーバーハングを短く見せるように心を砕いたように思える。また、車体後端のリアエンドを高めたことでよりスポーティなスタイリングになり、空力性能も向上させた。

インテリアの質感は格段に向上

インテリアについては、前夜から焦らされただけのことはあった。セダンは、スポーティネスを意識して、ブラックのシート地に赤いステッチが施されている。ハッチバックは、ベージュを基調にしたより落ち着きのあるデザインだ。

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