インパクト大きい「権利落ち29日」の相場 プラスになれば強気相場のシグナルになる

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明日28日はその権利付最終日で、配当取りニーズのあるファンドや、配当だけでなく優待権利も取りたい個人投資家の買いが入り、その反動で翌日は下がり、そして2016年3月期の期末に向って行く。まず権利落ち29日の相場が重要で、この日にプラスになったら(1日で配当落ちを埋めたら)、それが強気相場のシグナルだと言うのが、開設以来の変わらない相場観だ。ここで強気相場のシグナルが現れるかどうかーー。

200日移動平均線の下にいる現在の弱気相場で、このシグナルが現れたら、ひとまず強気相場ゾーン(200日線の1万8600円台越え)への移動が考えられる。今回の日経平均配当権利落ちは125円前後と予想されている。29日の段階では、28日の欧州はまだ休場で材料にならず、3連休明けのアメリカも大きな動きは乏しいと思われる。海外要因の薄い1日でこの125円を埋める力が日本株にあるのか。先週末の1万7000円引けが何かを暗示しているのか。

権利落ち日を含む3日間も重要

とにかく、29日の権利落ちを埋められれば、2016年度(2017年3月期)は強い展開になり、埋めきれず逆にマイナスになると、この年は弱含みの展開になると信じる投資家は多い。マーケットセンチメントに大きな影響を与えることになる。

さらに、この権利落ち日を含む3日間も重要だ。昨年の最終日は200円を超す下げとなったが、事情のある筋のウィンドドレッシングと呼ばれる買いが入り例年強気相場となっている。週末4月1日は短観、中国PMIは低調ながら、製造業に回復の見られる米雇用統計は強い感じだ。入り乱れる材料に緊張しながらも面白い1週間になりそうだ。

この息詰まる主力株の攻防戦を避けて、別の世界(中小型株、東証2部、JQ、マザーズ銘柄)で活躍している投資家の事は何度も紹介している。前回紹介したEストアー(4304・JQ)が週末一時ストップ高となった。同じく本欄で紹介したメディシノバ(4875・JQ)、エイジア(2352・東マ)も、25日移動平均までの調整を終えて出直り態勢となっている。

個別株選定の肝は、3年後、5年後をイメージできる企業に投資することだと筆者は考える。個別株物色は今後もますます活発になっていくだろう。今週の日経平均予想レンジは1万6600―1万7400円。

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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