覚えておきたい「テロは原油の売り材料」

早くも4月の産油国緊急会合が注目の的に

原油市場の関心は、カタールの首都ドーハで4月に開催予定の産油国による緊急会合に向かっている。2月半ば、サウジアラビア、ロシア、ベネズエラ、カタールの4カ国が、他の産油国の賛同を条件に産油量を1月の水準で凍結することで合意したが、これをきっかけに、産油国による生産調整への期待が高まり、原油相場は反発に転じた。産油国会合には20カ国程度が参加する見通しで、OPEC加盟国以外にもカザフスタンやオマーン、アゼルバイジャン、メキシコ、コロンビアなどの非加盟国も招待されているもよう。増産凍結合意への期待が高まっている。

しかし、原油相場の上昇に持続性がないのは、この会合で重要な位置づけにあると見られているイランの言動が背景にある。イランは経済制裁を解除され、ようやく通常の経済環境に戻る権利を得たばかりである。産油量が2012年の夏以前の日量440万バレルに戻るまで、増産凍結には応じない構えである。同国のザンギャネ石油相は「産油量の水準を制裁前の水準に戻すことを目指す」と言明し、「増産凍結は話にならない」としている。

イランは、自らが経済制裁で苦しんでいるときに、他の産油国が増産したため油価が下落したと理解している。そのため、産油国間の合意は難しいと考えておくのが賢明であろう。

米シェールオイル企業の淘汰は進むのか

また、今回の増産凍結協議を主導するサウジの態度も、実はきわめて自己防衛的である。「表向き」は、増産凍結に進んで協調する姿勢を見せている。これにより、サウジは「原油価格の低下を利用して高コストの産油国に減産を促しているわけではない」との姿勢を示している。さらにイランが増産凍結を拒んでいるため、それが原油価格の低迷の理由とすることもできる。その上、増産凍結により、産油量を実際に減らすことなく他の産油国に圧力を掛けることができる。つまり、非常に手の込んだ戦略を用いて産油国における主導権を握ろうとしているわけである。

一方で、米シェールオイル企業への圧力も忘れていない。サウジのヌアイミ石油相は「米国の高コストのシェールオイル企業は、事業を清算すべき」と発言している。6月のOPEC総会での減産合意は見送られる公算であり、今後は米シェールオイル企業の淘汰が進むかが油価回復のポイントになる。

一部の米シェールオイル企業の破綻が報じられている。資金繰りに苦しむ企業が増え、産油量に変化が見られるかを注視したい。破綻企業の増加は株式市場にはネガティブ要因だが、原油市場にはポジティブ要因である。
この構図が鮮明になれば、「原油高=株安」という、通常のパターンに戻る。一方、原油価格が上昇しなかった場合でも、株式市場が原油相場を意識しすぎることで、結果的に株安要因になる。結局、原油に関する材料は株価の下げ材料にしかならないとの結論だ。

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