iPhoneSEは、iPhone5Sの「正常進化版」だ 外観はiPhone5Sとほぼ同じ

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iPhone SEは質感やデザインも、かつての最上位モデルとほぼ同じ。ただし、普及機種という位置づけも捨てていないため価格は安価になっている。

先進国におけるiPhone 5S以前の機種のユーザー(アップルによると4インチクラスのiPhoneを使い続けているユーザーは3000万人もいるという)はもちろん、中国を含む新興国でより幅広い消費者に訴求することを意図したのだと考えられる。

米ドルでの価格は16ギガバイト版が399ドルで、たしかに現行のシリーズに比べ、格段に安い。カメラやLTEの対応周波数などを含め、性能が同等であることを考えれば、かなり良心的な価格設定といえる。

1ドル132円換算で値付け

現在の為替レートに照らし合わせれば、日本では4万5000~4万6000円ぐらいが適当だろうか。

しかし、実際には1ドル約132円換算となり、米国版の399ドルに対して5万2800円という価格が付けられた。

この換算値はiPhone SE特有のものであり、小型版のiPad Proに関しては米ドルに対する換算価格について従来機種との統一(1ドルあたり112円前後)が採用されている。この価格設定は、手持ちのデバイスをコンパクトにまとめたい利用者の心を掴む可能性が見込めるとともに、”高価”という印象も与えるかもしれない。

ただiPhone SEは3キャリアから売られるため、それぞれ競合に勝つために、工夫をした料金パッケージを用意することになるだろう。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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