【産業天気図・ガラス/土石製品】建設用、自動車用ガラス低迷でも液晶用回復でガラスは後半「雨」前半「曇り」、セメントは国内需要減深刻で「雨」に


一方、板ガラス専業で前09年3月期に経常赤字に転落した日本板硝子は、今期さらに300億円の営業赤字に陥る見通し。前期から行っている世界規模での人員削減、工場休止などのリストラ効果よりも減収や06年に買収した英国ピルキントン社の巨額のれんが勝る。

ただ、板ガラスのうち自動車用ガラスについては、各国の購入補助制度などが奏功して自動車生産が回復傾向にあることから、09年度後半から10年度前半にかけて持ち直しの傾向を強めると見られる。

セメント業界は、国内セメント需要が期初想定よりも、更に深刻となる気配だ。前期に暴騰した燃料の石炭価格が急速に下落していること、セメント製品の値上げがトン当たり300~500円程度行われることなどのプラス要因もある。ただ高値時購入の石炭燃料も残っており、操業度が低いと高値在庫燃料の消化が遅れる。

また、製品値上げも需要そのものが盛り上がらなければ、効果が帳消しになってしまう可能性もある。業界首位の太平洋セメント<5233>は、ここ数年の牽引役であった北米事業の不振が痛い。国内事業比率の高い住友大阪セメント<5232>ともども、燃料費減と値上げに加えて大幅な経費削減で営業益反発に何とか持ちこむ見込み。だが期待している政府の景気対策も、民主党への政権交代で大盤振る舞いは望み薄で、本格的な利益回復への道は遠のいている。

(鶴見 昌憲)

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