パナソニックが三洋買収でやきもき、長引く独禁法の審査

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シナジー追求も凍結

根本路線に影響はない。だが買収時期が遅れれば、相乗効果が期待される事業で機会損失につながりかねない。

たとえば、パナソニック電工が販売する住宅用太陽光発電システム。今年から復活した補助金が追い風となり、4~6月期は前年同期比2倍となった。しかし基幹部品の太陽電池セルを競合他社から調達しており、仕入れ価格、数量ともにハンディキャップがあると同社は嘆く。「グループで調達できればもっと安く、たくさん売り込めるのだが」(パナソニック電工幹部)。三洋電機は世界最高性能の太陽電池セルを製造している。

昨年12月には事業シナジーの検討に向け「コラボレーション委員会」を設立した。が、審査期間中は身動きできず、実質凍結状態のまま。その先に光が見えているのに、なかなか進めない苦しみに両社はあえいでいる。

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(西澤佑介 =週刊東洋経済)

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