gumi國光社長「来期は絶対黒字、結果を出す」 赤字が続く中、新たに挑戦する分野とは?
――2014年12月の上場以来、5四半期連続で赤字だ。通期予想も含めると6四半期連続の赤字となる。いつ黒字にできるのか。
事業は収穫フェーズに入ってきており、来期(2017年4月期)は絶対に黒字にする。四半期ベースでも来期は第1四半期から黒字化を目指している。
黒字化や継続的な成長に向けて、3つの事業戦略を進めている。まず、国内でしっかりとした品質のスマホゲームを作り、配信する。2つ目はそうしたゲームを海外でも配信する。3つ目は海外で製作したゲームを海外で配信するという、地産地消のビジネスモデルだ。
海外事業の動向は?
ゲームの国内展開は成果が出てきている。上場時は「ブレフロ」が売り上げの大部分を占めていたが、今は全体の3割程度だ。
「ブレフロ」の売り上げが落ちてきていることは確かだが、同時に「ファントム オブ キル」やスクウェア・エニックスと組んで展開する「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス」など、それに代わるヒットを出せていることで依存度が下がった。
(アップルのアップストアとグーグルプレイの)売り上げランキングでトップ100に最大6作品が入る状況で、今後も複数の新作ゲームを投入するメドが立っている。
スマホゲーム市場は成熟化しており、1作品あたりの制作期間が1年半~2年と長期化し、制作費は5億円を超える環境になっている。大ヒットを生むには、ゲームを出し続けないといけないが、体力的にできないゲーム会社が増えている。gumiは10作品弱を開発中で、戦い続けられる会社だ。
――ゲームの海外配信では、国内で大ヒットしているコロプラの「白猫プロジェクト」の中国語版などを手掛けてきたが、苦戦している。
確かにそれほどうまくいっていない。他社と組む場合、ゲーム内でイベントを行うにしても、相手方に許可を求めたりするのにどうしても手間や時間がかかる。スマホゲームが家庭用ゲームと決定的に違うのは、ユーザーのデータをもとに、できる限り早く改善を繰り返していくところにあるが、自社単独の場合に比べてスピード感が出しにくい。
また、他社と組んだ場合、レベニューシェア(収益分配)をしなくてはならないが、海外の競争環境は厳しさを増しており、広告費の負担も上昇している。その中で、収益性を考えると見合わなくなっている部分もある。
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