「3月人事」にイラつく人に欠けている視点 明日につながる「気持ちの整理術」

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30人で受講しましたが、自分を当てた人は何人だと思いますか? 12人です。半分以上の人は外してしまった。

同様に、参加者の奥さんにもテストをやってもらい、どれが自分の奥さんの診断結果かを当てるというのもやりました。こちらを当てられた人は、さらに減ってたったの6人です。それでみんな、いかに自分を知らず、伴侶を知らずにきたのかという事実を突きつけられ、大変なショックを受けるわけですよ(笑)

――佐々木さんはいかがでしたか?

私はだいたい当たりましたよ。別のテストでも奥さんを当てた人は30名中2名だけ。1人は私で、もう1人は東レの副社長になりました。

自慢話のようですが、私も彼も、現実をちゃんと認識しようと努力してきましたからね。

問題が起きたときこそ、自分を振り返る習慣を

――具体的にはどのように努力したのですか?

人事については、常に仲間たちと情報交換をして話し合っていました。経団連の会長を務められている榊原定征さんとは東レ時代から仲が良くて、よく酒を飲んでは人事を予測したものです。「今度は、きっとあいつが役員になるぞ」とか、「あそこの部長になる」と言っては、当たった外れたと大騒ぎ。大好きなんですよ、みんなそういうのがね(笑)。

それが人を見る眼を養い、我が身を振り返ることにもつながって、いい勉強になりました。

そのうち、そのメンバーが順番に役員になっていきました。といってもまだ平取か常務ですから、役員を決める立場にはないわけです。さらに人事予想に熱がこもっちゃってね。情報網も多いですから、ほとんどの役員人事は当てましたね。つまり人をよく見て、コミュニケーションを取っていれば、だいたいわかるということですよ。

言い換えれば、上層部の中では、次の人事はだいたい決まっているということです。そして、その選考基準は能力だけではありません。私は「出世はその人の人間性と能力と努力のバロメーターである」と考えています。人間性か、能力か、努力のいずれかが人より優れていれば出世することがある。

しかし、何を評価されて昇進したのかは、見ていない人にはわからないでしょう。

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