トラブル急増の「追い出し屋」問題、規制論議が始まるも見えない着地点
「鍵交換と財産処分以外は被害ではない。催促や請求が来るのは当たり前」(全国宅地建物取引業協会連合会の川島健太郎常務理事)、「登録制や許可制より重要なのは、家賃滞納時、大家に損害を与えずに済む法制度の策定」(政策大学院大学の福井秀夫教授)。
全国追い出し屋対策会議代表幹事の増田尚弁護士は「明らかに人選が業界に寄りすぎ。借り主代表の委員も参加させるべき」と指摘する。
厚生労働省は失業者救済の住宅手当制度を10月に創設することを決めたが、住宅政策に詳しい大阪市立大学の小玉徹教授は「生活保護以外の住宅手当のない先進国は日本ぐらい。追い出し屋追放のためにもより支給要件を広げるべき」と語る。
追い出し屋問題が図らずも明らかにしたのは、この国の住宅政策をめぐる議論の貧困といえる。
(風間直樹 =週刊東洋経済)
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