悲鳴!「マタハラ」はこうやって行われている マタハラ被害者座談会<前編>
ミホ:迷惑をかけたくなくて社員旅行も欠席を申し出たのに、「そんなの大丈夫だよ。私も妊娠中に行けたから」って、全部誰かの経験を基準にして、できるできないを勝手に判断されました。残業や休日出勤ができなくなると、ますます先輩たちからのプレッシャーも強くなってきて……。もう少しで産休が明けるんですけど、そういう経験をしたから戻るのが憂鬱です。
編:皆さんそれぞれに辛い体験をされていますが、マタハラとは具体的にどのようなことを指すのでしょうか?
大渕:妊娠出産に関する嫌がらせをマタハラ(マタニティハラスメント)と言って、みなさんの経験はまさにそれに当てはまります。また、職場に妊娠を報告したことで解雇や降格という不利益な処分を受ければ、それは明らかに法律違反になります。
ミキティさんやミホさんの場合は、休みを取ろうとするとプレッシャーをかけられるんですよね? 当然の権利を行使することが妨げられるのはマタハラだと言えるでしょう。タカミさんが試用期間で終わってしまったのは、契約上切りやすくなっていたのかもしれません。でも、正社員雇用される前提だったのに、妊娠以外の理由なく退職を強要されたということであれば、やっぱりそれはマタハラですよね。
入院先に電話!?意外と多い出産経験者によるマタハラ
大渕:皆さん、妊娠を報告したら周りの態度が変わってしまった経験をお持ちなんですね。人数の少ない職場だと特に、妊婦さんができない仕事のしわ寄せを嫌って、キツイことを言われるというのはよく聞きます。
ミキティ:私も、少しでも迷惑をかけたら他の同僚からも悪く言われてしまうかもという恐怖心があって、とにかく「大丈夫ですから」って言い続けてました。本当は病院から安静にしてくださいと言われてたのに、無理して会社に行っちゃったりして。結局ストレスを受け続けたせいか、切迫早産で1週間入院してしまったんです。それでも例の先輩はわざわざ会社から「なんで入院なの?」って電話してきましたけど。
一同:病院にいる人に対して? え〜!!
ミキティ:「どういう状況なの?」って問い詰められて、出血したことや何から何まで取り調べみたいに説明させられました。退院して戻ってからも、私がいない間どれだけ職場が大変だったかという話を延々と……。
大渕:もうその人の行動は異常ですね。この場合は会社の行為とは言えなくて、完全に個人の責任で不法行為だと思います。会社もその人をバックアップしてたわけじゃないですよね?