遊びで済まない!中学生「失神ゲーム」の危険 友達と同意のうえでも、犯罪になる可能性が
胸を圧迫するなどして相手の気を失わせる「失神ゲーム」の結果、暴行・傷害事件として検挙されるケースが後を絶たない。2月中旬には、新潟市に住む中学2年の男子生徒2人(いずれも14歳)が同級生に暴行を加えたとして、新潟県警に暴行容疑で逮捕されたと報じられた。
失神ゲームは「気絶遊び」などとも呼ばれていて、数十年前から、遊び感覚で子どもたちの間で行われてきたという。だが、脳が酸素不足になることによって、後遺症が残ったり、最悪の場合、死に至る危険がある。
友人同士で面白がってやってしまうケースもあるだろうが、こうした「失神ゲーム」は法的にどんな問題があるのだろうか。お互い了解した上でやっていたとしても、罪に問われる可能性があるのだろうか。刑事事件に詳しい藤本尚道弁護士に聞いた。
無呼吸状態から酸欠になり、失神へ
「失神ゲームで気を失わせるメカニズムは、まず過呼吸状態にして脳に『酸素は足りている』と錯覚させることから始まります。その状態で、胸を圧迫するなどして呼吸を止めさせると、脳が酸素を求めないため無呼吸状態となってしまい、ついには酸欠となって失神に至ります」
法的にはどのような位置づけになるのか。
「刑法の基本から考えてみましょう。刑法上の『傷害』の意味は、人の生理的機能に障害を加えることだと考えられています。
失神は一過性の意識消失発作であり、生理的機能の障害ですから、わざと失神させてその状態がある程度継続した場合には、具体的にケガなどをさせなくとも、傷害罪が成立します」