遊びで済まない!中学生「失神ゲーム」の危険 友達と同意のうえでも、犯罪になる可能性が
「ただ、30分程度で回復するような失神の場合は、傷害罪ではなく暴行罪が適用されるというのが判例です。いずれにせよ『遊びだった』では済まされません」
「同意」の上でも犯罪になる可能性がある
友達同士で同意の上で行っていた場合は、どう考えればいいのか。
「たとえお互いに了解(同意)があった場合でも、暴行罪や傷害罪に問われるという結論はかわらないと考えます。被害者の承諾があったとしても、承諾にもとづいて行われる行為は、社会生活上是認できる相当なものでなければならないというのが判例の考え方です。
また、その承諾は、判断能力のある者の真意に基づく必要があります。
失神ゲームにより無呼吸状態が長く続くと脳に損傷が起きて、運動や思考などの能力に重篤な障害が発生したり、死亡する可能性すらあります。専門家も『当初は異変がなくても、徐々に障害が表れることもある』と指摘しているところです。
失神ゲームに同意したとしても、通常は、それが極めて危険な行為であることを十分に理解したうえで、真摯に同意したものとは考えにくいでしょう。
また、重篤な後遺症が起きる可能性がある危険な『失神ゲーム』は社会的相当性も認められないと考えられます。したがって、失神ゲームが承諾のうえで行われていたとしても、違法性が阻却されることはなく、犯罪の成否には影響がないと考えられます。
ともかく、このような危険な『犯罪行為』が『ゲーム』などと称されて遊び半分で行われていることはとんでもないことだと知るべきでしょう」
藤本弁護士はこのように述べていた。
兵庫県弁護士会所属。神戸大学法学部卒業。弁護士会会務では主に広報畑を歩んできた。現職は、兵庫県弁護士会広報委員会委員長、近畿弁護士会連合会広報委員会副委員長、兵庫県弁護士協同組合理事長など。
事務所名:藤本尚道法律事務所
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