凄惨な「ケンカマッチ」、選手に問われる責任 格闘技試合中の大ケガ、傷害罪が成立する?
東京都の後楽園ホールで2月22日に行われた女子プロレス「スターダム」のメインイベント、世IV虎(よしこ)選手と安川惡斗(やすかわあくと)選手の対戦が、凄惨な「ケンカマッチ」となり、物議を醸している。
報道によると、対戦は世IV虎選手が馬乗り状態で殴り続けるなど、一方的な展開となった。試合はセコンドのタオル投入で終了。試合後、安川選手の顔は血だらけで、頬が大きく腫れ上がっていた。診断の結果、鼻と頬骨を骨折する大けがだった。
競技中のケガは、どんな扱いになる?
この試合について、ネットでは「プロレスの範疇を超えている」「もはや犯罪ではないのか?」という声も上がっている。一般的に、プロレスや格闘技などの競技中の試合で、相手にケガをさせたことで罪に問われる可能性はあるのだろうか。刑事事件にくわしい西口竜司弁護士に聞いた。
「私も昔アメフトをやっており、タックルなんかをしておりました。今回の報道を聞いて『プロレスでもこんなことがあるのか』ということで大変驚いてしまいました。この件については、古傷の右膝をさすりつつ考えていました」
西口弁護士はこう切り出した。プロレスや格闘技などの競技中に、他人にケガをさせた場合、どういう扱いになるのだろうか?