毎年約3000人が死亡する「口腔ガン」の恐怖

初期は自覚症状がなく死亡率が高い

会社で行われている健康診断に関しても体の検診は義務ですが、歯科に関しては義務化されていないのです。口にもガンができ、早期発見が大切だということが一般的な認識になれば死亡率も減っていくはずです。国の健康政策として義務化されればベストですが、予算的にもなかなか難しいでしょうから、せめて個人単位で認識しておいてもまったく損はありません。お住まいの地域によっては、地域の歯科医師会などで、無料の口腔ガン検診を行っていますのでぜひ活用されることをお勧めします。

口腔ガンは初期の段階では痛みなどの自覚症状がほとんどありません。痛みやしこりなどの自覚症状が出てきた時にはすでに進行しているケースが多く、その段階での死亡率も高くなってしまいます。痛みが出た時には遅い可能性があるため、早めの検診が欠かせません。

直接見えるはずなのに低い早期発見率

臓器系のガンと違って、口の中は直接見ることができるので、口腔ガンも本来は早期発見しやすいはず。しかし、自覚症状がなく、初期の段階では口内炎のようにしか見えないのが要因です。

歯科医の知見から述べさせてもらうと、普通の人が初期の段階で自分で口腔ガンに気がつくのはかなり難しいといえます。実際は検診や歯科の受診中に歯科医や歯科衛生士の目によって発見されるというケースがほとんどです。自分でわかるくらいになった時は、やはりかなり進行している状態が多いのです。

そもそも口腔ガンにならないために気をつけなければいけないことは何でしょうか。どれも当たり前なのですが、ポイントは3つ。「タバコ、お酒を控える」「偏食せず、バランスのいい食生活を心がける」「歯磨き、うがいをしっかり行い、お口の中を清潔に保つ」です。特に喫煙者の口腔ガンの発生率は、タバコを吸わない人に比べて約7倍も高く、死亡率は約4倍にもなるといわれています。

さらに気をつけなければいけないのが、飲酒時の喫煙です。普段はタバコを吸わないのに、お酒飲むときだけ吸う、なんて人もいらっしゃいますよね。飲酒時の喫煙は、タバコに含まれている発ガン性物質がアルコールによって溶け、口の粘膜に作用するため、余計にリスクが高くなると言われています。

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