日本の「無戸籍者1万人」は、なぜ生まれるのか 「就学、結婚もできない現実」を生む5つの謎

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――無戸籍者がいることが確認されていても、国は積極的に対策を立てようとしていません。この問題が放置されていることをどう思いますか。

私はこれを、「国による、子どもへの一種の虐待=“ネグレクト”(無視・放置)」だと思っています。そこに実際にいる、困窮している子どもたちを、見なかったふりをして放置しているわけですから。

謎5 無戸籍問題がいつまでも解決しないのはなぜか

最近でこそ、無戸籍であっても住民票が取れることも増えたため、教育や医療にアクセスできるようになってきましたが、それでもまだ、仕事に就くことは難しい状況です。彼らは当然、「マイナンバー」も手に入らないので、その施行によって、より生きづらい状況も新たに生まれています。

法律の適用が及ばない無戸籍者がこれほどたくさんいることは、国家にとっても大きなリスクだと私は思うのですが、その元凶ともいえる法律、民法772条を、国は変えようとしていません。

――では一体どうしたら無戸籍問題を解決できるのでしょうか。

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まずは772条の改正・撤廃です。DNA鑑定などおよびもつかない、明治時代に制定されたこの法律は、今の時代にまったくそぐわないものとなっています。私もこの法律を改正すべく、政治の場に出て必死で闘ったのですが、力が及びませんでした。このあたりの攻防は本に詳しく書いています。

昨年話題になった「選択的夫婦別姓」や、先に触れた「再婚禁止期間」の問題とも共通するのですが、この問題には日本の民法、政治の根源的な問題もかかわっているんです。

でもあきらめることなく、この問題を世に問い続けることが私の使命だと思っています。

井戸 まさえ 政治家、無戸籍児家族の会代表

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いど まさえ / Masae Ido

1965年、仙台市生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒業。松下政経塾9期生。5児の母。東洋経済新報社勤務を経て、経済ジャーナリストとして独立。2005年より兵庫県議会議員を2期務め、2009年、衆議院議員に初当選。無戸籍問題をはじめ「法の狭間」で苦しむ人々の支援を行う。民主党東京第4区総支部総支部長。「『クローズアップ現代』“戸籍のない子どもたち”など無戸籍者に関する一連の報道」で2015年貧困ジャーナリズム賞受賞。

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