日本の「無戸籍者1万人」は、なぜ生まれるのか

「就学、結婚もできない現実」を生む5つの謎

――無戸籍者がいることが確認されていても、国は積極的に対策を立てようとしていません。この問題が放置されていることをどう思いますか。

私はこれを、「国による、子どもへの一種の虐待=“ネグレクト”(無視・放置)」だと思っています。そこに実際にいる、困窮している子どもたちを、見なかったふりをして放置しているわけですから。

謎5 無戸籍問題がいつまでも解決しないのはなぜか

最近でこそ、無戸籍であっても住民票が取れることも増えたため、教育や医療にアクセスできるようになってきましたが、それでもまだ、仕事に就くことは難しい状況です。彼らは当然、「マイナンバー」も手に入らないので、その施行によって、より生きづらい状況も新たに生まれています。

法律の適用が及ばない無戸籍者がこれほどたくさんいることは、国家にとっても大きなリスクだと私は思うのですが、その元凶ともいえる法律、民法772条を、国は変えようとしていません。

――では一体どうしたら無戸籍問題を解決できるのでしょうか。

書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

まずは772条の改正・撤廃です。DNA鑑定などおよびもつかない、明治時代に制定されたこの法律は、今の時代にまったくそぐわないものとなっています。私もこの法律を改正すべく、政治の場に出て必死で闘ったのですが、力が及びませんでした。このあたりの攻防は本に詳しく書いています。

昨年話題になった「選択的夫婦別姓」や、先に触れた「再婚禁止期間」の問題とも共通するのですが、この問題には日本の民法、政治の根源的な問題もかかわっているんです。

でもあきらめることなく、この問題を世に問い続けることが私の使命だと思っています。

関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
空調機器で断トツ狙う<br>ダイキンの世界制覇戦略

空調世界トップのダイキン工業がインドで躍進。2010年に空調で世界一になり、業績も右肩上がり。日本の電機メーカーが海外で勝てなくなって久しい。なぜダイキンは勝てるのか?