ネットに繋がるスピーカーは何がスゴイのか ストリーミング音楽を鮮やかに再生

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音楽のソースは、レコードやCDといったアルバム単位のメディアから、膨大な音楽カタログすべてへアクセスする、という方法に変わった。SONOSはそうした音楽体験の変化を、より最適化する製品だ。

リビングルームにSONOSを設置したこともあり、あまりリビングルームに音楽を流している時間は格段に上がったのだ。これまで、テレビに接続していたApple TV経由でApple Musicを再生していたが、音楽再生では使用しないテレビ画面が点灯している気持ち悪さを経験してきたからだ。

さて、冒頭、SONOS PLAY1をもういくつか買い足したいと書いた。Wi-Fi接続のシステムらしい機能として、1つのアプリから部屋ごとに独立して再生をコントロールしたり、すべての部屋で同じ音楽を再生することができる機能を備えている。

加えて、モノラルスピーカーのPLAY1を2台ペアリングすると、1つのステレオスピーカーセットとして機能させることもできるのだ。

ハイエンドオーディオとは別の価値観で

SONOSのシリーズにはPLAY3、PLAY5というステレオスピーカーも存在するが、音の拡がりという面では、PLAY1を2台配置する方が有利だ。もちろん、それぞれが電源につながればよいわけで、スピーカーケーブルの配線は必要ない。

SONOSにはこのほかに、テレビに接続する9スピーカー内蔵のPLAYBARも存在している。PLAY5やPLAYBARには外部入力端子があり、既存のオーディオシステムの音楽を再生しつつ、もちろんその音楽を他の部屋のSONOSで再生することも可能だ。

外部入力のあるスピーカーについては、その高品位なスピーカーの性能を評価することができるが、PLAY1のようにストリーミングサービスのみの対応の場合、音質のネックはやはり、サービスで配信されてくる楽曲の音質に左右される。Apple Musicの場合、AAC 256kbpsが限度であり、ハイレゾ音源を再生できるシステムとの比較はできないのだ。

そのため、ハイエンドオーディオという価値観でSONOSを選ばない方が良いだろう。それでも、スマートに音楽を楽しむ、音楽をより生活にあふれさせることができる価値は、存分に享受できるはずだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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