繋ぐことで生まれる「APIエコノミー」の衝撃 Uber、FinTechを支える新・経済圏とは?
これから5年後にかけて、情報技術はどのように進化していくのか? 新たなビジネスを生み出し、適切なIT投資を行うためには、将来重要となる技術を早期に見極める「目利き力」が欠かせない。
『ITロードマップ 2016年版』を上梓した野村総合研究所(NRI)の田中達雄氏が、企業同士がお互いの強みを利用し合い、“自前”だけでは不可能だった価値を創出する「API」(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)によって台頭しつつある、新たな経済圏について展望する。
他社に利用される「Uber」の配車サービス
タクシーの配車ビジネスで、Uber(ウーバー)が世界を席巻している。シリコンバレー生まれのこの「破壊的」な新サービスは、東京を含めて世界382の都市で利用可能で(2016年2月)、登録ドライバーに仕事を、利用者に利便性を提供している。
このUberは、企業と企業、ビジネスとビジネスをつなぐAPIエコノミーと呼ばれる新たな潮流の代表的な事例のひとつといえる。企業同士がお互いの強みを利用し合い、“自前“だけでは不可能だった価値を創出する。そんな新たな経済圏が台頭しているのである。
APIとは、アプリケーション・プログラミング・インターフェースの略で、あるソフトウェアから別のソフトウェアの機能を呼び出して利用するための形式であり、一般的に、「戻り値=関数名(引数)」で表現される。たとえば、郵便番号を入力すると、住所が出力されるようなAPIの場合、「住所=住所照会(郵便番号)」のような記述となる。
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