東京医大で不祥事が続発、臼井学長の進退に波及も
無傷とはいかない不正受給問題
不祥事を乗り越えて学長の座に就いた臼井氏は、ある意味で強運の持ち主だといえる。04年には系列の東京医科大学病院(東京都新宿区)で、心臓外科手術で患者4人が死亡する事故が発生。当時理事長と学長を兼務していた伊東洋氏が学長を退いて以来、学長不在が続いた。臼井氏は医療事故当時に病院長を務めており、責任をとって退任した。
この窮地から抜け出して臼井氏が学長に就任したのは、「饗応などで教授会メンバーを掌握したことに加え、2年にわたる『学長不在』を文科省が問題にしたという事情があったため」(別の東京医大関係者)ともいわれる。
学長不在は学校教育法第92条に抵触するとして、文科省は早急に学長を選任するよう東京医大に口頭で指導。これが大きな追い風にもなった。臼井氏は兼職規定違反などで2度にわたって学長就任を理事会で否決された後、猛烈な巻き返しを図り、昨年10月、ついに学長の座をものにする。
その臼井学長を支えてきた「側近の一人」と言われるのが、東京医大茨城医療センターの松岡健センター長だ。「今回の診療報酬不正受給で松岡氏は責任を問われる可能性が高い。その際、臼井氏も無傷ではいられない」と東京医大関係者は指摘する。学長就任から1年足らず。臼井氏も重大局面を迎えている。
(週刊東洋経済)
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