就活生は、「みん就」の正しい読み方を学ぼう 先輩・仲間の「善意」を受け取り、しっかり返せ

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今里:ナビサイトって「2017年卒業生向け」というように、卒業年毎にサイトがオープンしますが、「みん就」は20年近くの就活生の涙と汗のアーカイブみたいなもので、過去も含めたいろんな情報を得ることが出来るんだと思います。過去の口コミを見ているとなかなか面白いですよ。PVやユニークユーザー数といったサイトのにぎわいを数値化する指標で見ると、時々アクセスする訪問者もいれば、毎日のようにすごい頻度で閲覧する人もいます。

就活解禁日の3月1日は一気にアクセスが増えると思います。グループインタビューなんかでユーザーに聞いてみると、「面接や試験を受けた日には、1日に何度もスマホを眺めるんだ」と言っていました。「みん就」の書き込みデータやログを眺めていると日本の就活生の動きが何となくわかる気がします。

常見:なるほど。

リアルな情報がすぐに確認できる

今里:今日の就活が口コミとしてどんどん書き込まれて、特に選考が始まったら、「きたきた」とか、「まだまだ」とか。「えー何、もう商社って動きがあるの?」「メガバンクの総合職はもう始まってるんだ!」なんていう情報も見つかるわけです。匿名だし、就活生は誰かに管理されているわけではないですからね。コントロールのない中で書き込まれているリアルな情報だから、彼らにとっては意味があります。

常見:でも、必ずしも正確でない情報もありますよね? わざと嘘の選考スケジュールを伝えて「もう終わった」と思わせる、情報操作テクを駆使する学生がいるとか。

今里:常見さん、それは相当、性根の悪い子ですよ(笑)。もちろん口コミなので正しくないコメントも時々あるかもしれませんね。でも、ほとんどの情報はユーザーの相互扶助の思いからの書き込みだと思います。「私の体験を共有したい!」と思って書き込んでくれる。あるいは誰かが教えてくれるだろうなと思って、仲間に聞きに来るみたいなスタンスなので。そういう意味でいうと、この「素直さ」が前提になっているWebサービスって、世の中にはあまり見られないことかもしれません。20年間、これが自然にぐるぐる回っているという。不思議です。

常見:独特のコミュニティですよね。そもそもBBS(掲示板)っていう存在自体がね、しばらく聞いていなかった気もしますが、すごくしぶとくて、だんだんその中の各掲示板でマナーができていくんでしょうね。

今里:狭い世界で言うと、リアルな口コミの情報をどうやって学生に早く触れてもらって、あるいは内定をもらって就活が終わった学生には、どうやって後続する就活生に情報を残してもらって、善意の気持ちを還元してもらうかというサイクルを維持するのが、いま「みん就」としてはやらなきゃいけないことなのかなぁと思っています。

「プロ就活生」は、どのように「みん就」を使いこなしているのでしょうか?

常見:「みん就」を鬼のように使いこなしている、「プロ就活生」みたいな人は、どういう行動をしているのでしょうか。やっぱり過去のログをすごく見るとか。

今里:日頃からソーシャルに触れている若い世代には、ほどよい情報リテラシーがあるんだと思います。たとえば、口コミに惑わされたくないって気分の時にはあえてあまり深く見ないとか、見ても「ふうん」って受け流すとか。この時期には不安になるから絶対に見ないとか。ユーザーアンケートを毎月とって見ているんですが、そういう声を時々見つけますね。

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