ITエンジニアを待ち受ける大量失業の危機 期待の「IoT」需要はベンダーを素通りか
このとき筆者は次のようなことを話した。
2010年はデフレ型の景気後退が鮮明になってきた年で、IT受託業界には先行き不透明感が強かった。スマートフォンは現在のように普及していなかったし、iPadが発売されたのは同年の5月だった。むろん「IoT」という言葉は多くの人の視野に入っていない。
システムの概念は「いまさら」だが
IoTの類語にM2M(Machine to Machine)、CPS(Cyber Phisical Systems)などがあるのは周知の通り。さかのぼれば要素技術の用語としてRFID(Radio Frequency IDentifier)やIPv6(Internet Protocol version6)、Wi-Fiなどがあり、利用形態としてスマート・コンピューティング、ユビキタス・コンピューティング、ウェアラブル・コンピュータといった呼び名があった。
1980年代からIT業界やITのトレンドを観察している人にとっては「いまさら」の概念だが、センサーの普及度が決定的に違う。2010年まで一般の消費者が持ち歩いていたのは携帯電話(いわゆるガラケー)だ。それがスマートフォンになり、自動車をはじめ、さまざまな機器にセンサーが装備されている。加えて映像認識とデータ解析の技術が高度化した。
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