過去最大のM&A実施 ミレアが海外戦略を加速
国内最大の損保グループが世界の保険市場に進出。(『週刊東洋経済』12月29日-1月5日合併号より)
国内最大の損保グループ、ミレアホールディングスは傘下の東京海上日動火災を通じ、英国ロイズ保険市場を足場に世界展開する保険グループ、キルン社を買収する。買収金額は約1060億円と、日本の保険会社によるM&Aでは過去最大。これによりミレアは世界市場での事業拡大に向け、大きな一歩を踏み出したといえる。
だが、過去に合併などでロイズ市場に進出した会社は、失敗することが少なくなかった。原因は、優秀な保険引受人が他社に引き抜かれて会社を去ったため。ロイズ市場では優秀な保険引受人さえ確保できれば仕事はついてくる。今回もミレア買収の報道が本格化する前から、キルン社の保険引受人に対し、激しいヘッドハンティング合戦が繰り広げられたという。
隅修三ミレア社長は買収合意決定の4日後に、2泊4日の強行軍でロンドンに飛んだ。キルン社の従業員に、会社組織は何も変えないと直接訴えるためだ。今後の世界戦略の成功は、いかに人材を引き留めるかに尽きる。
(書き手:筑紫祐二)
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