視聴率下落のTBS、7月番組改編の深刻 年収格差は2~3割 くすぶる若手の不満
7月1日の定例会見でTBSテレビの石原俊爾(としちか)社長は、「ひるおび!」や「THE NEWS」について、「視聴者のニーズに応えられていない面がある。早急な改善策の実施を現場に指示している」と話した。
しかし、「経営陣は現場にもう少し努力しろというが、その前に経営陣が編成の失敗を認めて責任をとるべきだ」との声が複数の社員から聞こえてくる。そもそも、報道をゴールデンタイムである19時台に持ってきたのは、番組内容の強化よりも経費削減の側面が大きい。毎日違う番組を制作するよりも、同じ番組を生放送で流したほうがスタジオのセット費や編集費などを大幅に削減できる。
「厳しい予算の制約がある中で上から言われたことをやっているにもかかわらず、視聴率の低迷を現場のせいにされてはたまらない」(社員)と、不協和音の高まりが懸念される。
しかし、前出の中堅幹部は、社員にも問題があるとも話す。「プライドの高い“批評家”になるのがウチの社員の悪いクセ。多くの社員が番組にケチをつけるだけで、自分で動こうとしない。こうした組織風土が視聴率低下にも影響しているのではないか」。
年収格差は2~3割 くすぶる若手の不満
また、広告不況による予算の制約だけでなく、込み入った給与体系からくるモチベーション低下を原因に挙げる社員もいる。
現在、放送事業を営むTBSテレビ(グループの組織再編で番組制作会社の3子会社を合併し04年10月に設立)は、給与体系が大きく二つに分かれている。一つは元のTBS社員で現在はTBSホールディングスからの出向者、もう一つはTBSテレビ(旧3社)プロパー社員向け。05年以降はTBSテレビが新卒採用を行うようになった。