リップル「帝国」の黄昏、反乱と破産法11条

リップル「帝国」の黄昏、反乱と破産法11条

クリス・フラワーズとティム・コリンズ。2000年、長銀(長期信用銀行、現新生銀行)を買収し、大儲けした「ハゲタカ」2人だ。

天網恢恢、ということだろうか。その後増資に応じ、新生の筆頭株主となったフラワーズ氏は増資分だけで325億円の含み損を抱える。新生・あおぞら銀行の合併合意の裏には、フラワーズ氏の悲鳴がある。

新生銀行で“勝ち逃げ”したはずのコリンズ氏の「帝国」=RHJインターナショナル(旧リップルウッド)にも、大きな亀裂が走っている。

コリンズ氏は新生銀の戦果をもって日本テレコム(ソフトバンクに売却)、シーガイアなどさまざまな企業を買収したが、最大の標的は自動車部品業界だった。鋳造品の旭テック(東証1部)、日産系のナイルス、ドイツのホンゼルを次々に傘下に収め、東証1部のユーシンにも出資した。

解任の次は提訴 「退出」を迫る

米エンジンメーカーで働き、UAW(全米自動車労組)にも加入した経験を持つコリンズ氏。ハゲタカと呼ばれることを嫌い、「ビルドアップ」(積み上げる)を強調し続けたのは、自動車部品には土地勘がある、という自信の表れだろう。どうやら、その自信が裏目に出た。

6月下旬、自動車のキーセットの有力メーカー、ユーシンが2度目の“反乱”に決起した。コリンズ氏=RHJから送り込まれた前社長、竹辺圭祐氏に対して約8億円の損害賠償を求める訴訟を起こしたのだ。

ユーシンがRHJの20%出資とともに竹辺氏を社長に迎え入れたのは06年4月。元日産自動車常務の竹辺氏は「ナイルスをV字回復させた立役者」という触れ込みだった。が、竹辺氏がRHJ傘下のナイルス買収を提案したことで、ユーシン側の不信感が高まった。竹辺氏が提案した買収価格は150億円。「PwC(プライスウォーターハウスクーパース)にナイルスを精査させたら、30億円近い債務超過。V字回復というのはウソ。その状況は(ナイルスの社長だった)竹辺氏が誰よりも知っていたはず」(ユーシン幹部)。

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