「キャッシュフロー仕事術」を知っていますか ビジネスパーソンの1%しか知らない「武器」

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その詳しい内容は、3月に出る『30代からの仕事に使える「お金」の考え方』をみていただければわかるが、ひとつ具体的なケースを考えてみよう。

おカネが儲かるのはどっち?

たとえば、1個70円で仕入れた商品を、100円で100個売っていたとする。売り上げは10000円(販売単価100円×数量100個)で、そこから仕入7000円(仕入原価70円×数量100個)を差し引いた利益は3000円である。

この商売で、売り上げを1割増やしたい場合、あなたならどうするか? 売り上げは、「販売単価×数量」で決まるから、選択肢は次の2つだ。

①単価アップ:販売単価を1割増やす(販売単価110円×数量100個)

②数量アップ:数量を1割増やす(販売単価100円×数量110個)

どちらを選んでも、売り上げは11000円で同じ。ほとんどの営業社員は、何も考えずに数をたくさん売るやり方(②数量アップ)を選んでしまうことが多い。では、それぞれの利益を計算して比較してみよう。

販売単価 数量    仕入原価 数量     利益
①単価アップ:110円×100個—70円×100個=4000円
②数量アップ:100円×110個—70円×110個=3300円

 

まず、②の数量を1割増やす場合は、利益も1割の300円しか増えない。しかし、①の販売単価を1割増やす場合には、利益が3割以上増加し1000円も増える。

書影をクリックするとアマゾンの販売ページにジャンプします

売り上げは同じでも、利益に差が出るという簡単な例だが、販売数のノルマしか頭にない営業社員と、効率よく利益を増やしている営業社員との違いは、こういうところに現れてくる。

儲けたおカネが増えれば、次の商売の元手が増えて、さらにおカネが増えるスピードが速くなっていく。キャッシュフローを考えて働いている社員のほうが、高く評価されるのは当然である。

このほかにも、販売戦略、仕入方法、在庫の持ち方、変動費と固定費の使い分け方など、ビジネスのやり方を工夫することによって、会社のおカネの流れが変わっていく。

このように、日頃の仕事をつねに「おカネ」の動きで考える「キャッシュフロー仕事術」を身につけることで、ビジネスパーソンとしての価値がグッとあがることは間違いない。

児玉 尚彦 税理士

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こだま たかひこ

(株)経理がよくなる代表取締役。2002年、中小企業を経理作業から解放することを目的として、「経理合理化プロジェクト」を発足。全国の会計事務所とともに経理業務の合理化を提案し、これまでに3000社以上で成果実績をあげている。「経理財務面を中心に経営に役立つ支援をし、中小企業の成長発展に貢献する」ことを経営理念としている。また毎年1500社以上が参加する経理セミナーの人気講師としても活躍中

この著者の記事一覧はこちら
上野 一也 税理士・中小企業診断士

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

うえの かずや

(株)経理がよくなる/児玉上野税務会計事務所 共同代表。1976年生まれ。慶応義塾大学理工学部卒業後、ヤマハ(株)へ入社。情報システム部門に7年間勤務し、社内システムの設計・運用に携わる。その後、2007年に会計事務所へ転職し、会計業務に従事しながら税理士資格を取得。経理事務を改善するためのシステム化支援、改善後の財務分析や資料づくりなどを指導し、多くの経理社員のキャリアアップに貢献

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事