スマホ「2年契約」の呪縛は、まだ解かれない 解約期間を2カ月に延長したところで不十分
政府の介入をきっかけに、「実質0円」などの携帯電話料金の見直しが進む中、批判の声が強かった「2年縛り」についても見直しの動きが出ている。NTTドコモの加藤薫社長は1月下旬の決算説明会で、2年縛り終了後の解約期間を現状の1カ月から2カ月へと延長するよう準備を進めていることを明らかにした。今年3月から変更する予定という。
同様にKDDIも、解約期間を1カ月から2カ月に延長する方向で検討している。ソフトバンクも、産経新聞の報道によると、2カ月に延長する方向で検討しているという。
「2年縛り」をめぐっては、2年間の契約が終了した後の1カ月間に解約しなければ、契約が自動更新されて、1カ月過ぎてから解約すると、高額の解約金を支払わなければならないことが批判されてきた。1カ月を2カ月に延長するだけで十分なのだろうか。上田孝治弁護士に聞いた。
利用者に「不意打ち」のような仕組み
これまで、具体的にどのような問題があったのか。
「現状は、期間を定めた契約と自動更新がセットになっています。
更新の場合には、解約金なしで解約できる期間がわずか1カ月に限られていました。しかも更新月の利用者に対する周知も十分とは言えない仕組みになっています。
契約して最初の2年間はともかく、更新後の期間でも一律に解約金が発生することは、多くの利用者にとって不意打ちではないでしょうか。
すでに長期間利用した後なのに、解約金が発生すること自体、納得しがたいものでしょう」