私のサービス論 「サービスこそが、真の企業価値向上をもたらす」

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私のサービス論 「サービスこそが、真の企業価値向上をもたらす」

サービスがサービス産業の専売特許であったのははるか昔の話。今やサービスは、あらゆる産業にとって最優先課題になっている。日本の名だたる企業のトップたちは、「サービス」をどう定義し、具体的にどのようなサービスを実践しているのか?各社のトップに聞いた。
(『週刊東洋経済8月11日・18日合併号の特別版』)

Q.御社にとって、「サービス」とは何ですか?

 当社は、経営方針として「真の企業価値向上」を目指して行くことを掲げていますが、それを実現するための最も重要な要素の一つは「原点としての顧客第一主義」であると認識しています。デペロッパーとしてオフィスビルや住宅等のハードを供給するだけでなく、常に顧客の視点に立ち、ソフト部分のサービスを充実させることで、更なる付加価値を顧客に提供することを心がけています。

Q.御社のサービスの具体例を教えてください。

 まず、オフィス・商業施設については、丸ビルや新丸ビル等の大型・複合施設の運営・管理を実施しています。管理要員の教育等による「安全・安心」の向上はもちろん、各種イベントやプロモーションの実施、あるいは屋上緑化の推進やストリートファニチャーの設置等、来街者・来館者が快適な時間を過ごせるようなサービス供給を実施しています。また店舗リニューアルの推進による施設の鮮度・魅力度の保持向上に努めており、顧客ニーズを吸い上げるため、定期的にテナントに対して個別面談を実施しています。 

 次に、マンション管理業務に関するサービスとしては、グループのマンション管理会社(三菱地所藤和コミュニティー)内に独立部署としてお客様センターを設置。24時間体制での対応を行っており、顧客からの問い合わせに対し迅速な対応・相談を実施しています。

 最後に、ホテル等宿泊施設の分野では、ロイヤルパークブランドのホテル等を展開していますが、「Best for the Guest」の理念に基づき、Customer Delight(顧客歓喜)の実現を目指しています。  

 Q.サービスを定着・向上させるために、どのような取り組みを行っていますか?

 賃貸オフィス事業/分譲住宅事業ともに、定期的に顧客満足度調査(テナント、購入者宛アンケート)を行っていますし、分譲マンション事業については、年1回外部機関による顧客満足度調査結果を取得し、フィードバックを受けています。

 実際にサービス提供機能を担う部署・関係会社等でオペレーションに関する研修を実施しているのはもちろん、各事業部門内で定期的に情報交換会を開催することで、全社的に顧客ニーズを共有しています。

 また、「顧客第一主義」を中期経営計画の経営方針の中に明記し、各種研修等を通じて社員への浸透を図っています。

木村恵司(きむら・けいじ) 
東京大学経済学部卒業後、1970年三菱地所入社。取締役企画本部経営企画部長などを経て、2005年6月から現職。

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