コメ卸が描く、すし・居酒屋の日本食連合構想 渡邉美樹に憧れた男が仕掛ける外食業界再編

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――とはいえ、主力の外食事業の建て直しが最重要課題だ。

ワタミはものすごくいい商品を出している。ただイメージの悪化が大きい。名前をいったん見合わせて、「ワタミ」という名前がまったくでない業態を作るしかない。元気寿司も同じように「魚べい」という回転ずし業態をやっている。

「魚べい」の渋谷道玄坂店、従来の回転レーンを廃し、注文専用レーンをだけがある

渋谷道玄坂店は、従来の回転レーンを廃した回らないすし屋だが、80席くらいの規模にもかかわらず、月商2800万円くらい売っている。

ヒットした理由は(祖父母から孫まで)三世代が来ても満足してもらえるメニューにしたことが大きい。これにはワタミの清水邦晃社長もびっくりしていた。

オールジャパンの日本食で世界を攻める

――そのノウハウをワタミにも導入したら再建できるのか。

元気寿司の法師人尚史氏(ほうしと たかし)社長に、居酒屋でも家族客を狙いたいと相談したら、「料理が運ばれてくるレーンを入れたら面白い」「居酒屋の使い方が変わっているのでは」と言われた。

現在の居酒屋は、飲み放題2時間いっぱいいて、食べ物はアラカルトで頼むカフェのような使い方になっている。従来の大学生のコンパや会社の忘年会、新年会だけではなくて、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に家族で来るような新業態の開発に両社(ワタミと神明)で力を入れたらいい。

――新業態開発の時期のメドは。

提携委員会を開いて5つのチームに分かれて活動をしている。スピード感を持ってやらないとダメだし、やっぱり話題になっているうちにやったほうがインパクトもある。

リニューアル(既存店からの業態転換)のパターンになるかもしれないが、5月ぐらいまでにはなんとかしたい。店舗にタッチパネルを導入するなど、元気寿司のノウハウをフルに使ってもらいたい。

――回転ずし、居酒屋と出資先を広げてきた。これからも外食企業への出資や提携は考えていくのか。

もちろんだ。コメや野菜など農水産物の消費拡大のために外食産業は大きなツールなので、やっぱりこれをどんどん使っていきたい。もうひとつは、神明が外食産業をとりまとめる立役者になれればいいと思っている。

海外には元気寿司が約150店舗、ワタミが約100店舗と、合わせて250店舗もある。そこに色々な企業が加わればもっと強くなる。オールジャパン体制で、世界という大きなマーケットを日本食で攻めれば、もっと成長していける。それをわれわれの手でひとつでも実現していきたい。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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